従来は家主に不利

「リロケーション」とは、転勤などで生じる留守宅を賃貸することです。従来の借家権では家主側が契約満了で元の自宅に住みたいと思っても、正当事由がない限りは契約更新を拒絶することは出来ず、自動的に更新してしまうという不利益がありました。定期借家権では、転勤者が期限付きで自宅を賃貸住宅に変えることが可能となりました。借主側にとっては、5年定期の借家を契約すると、5年後の更新は家主の同意がないとできませんが、2年毎の更新料がいらないというメリットもあります。これは新しい賃貸物件として注目されてきています。現在ではリロケーションを仲介する専門的な会社もあり、リロケーション市場も拡大しています。

リロケーションは最近になって浸透してきたものといえます。リロケーション自体は昔から存在していたものの、不動産業界でのリロケーションの歴史は浅いことがうかがえます。リロケーションの歴史上で大きいのが大規模な法改正です。特に定期借家権の導入が大きく関係しています。定期借家権によって、一般の転勤者などでも期限を付けて自宅を貸せるようになりました。ではリロケーションのメリットとしてどのようなものがあるかみていきましょう。

リロケーションとは

景気が不透明な昨今において、急な転勤や海外赴任は起こってほしくないとは思っていても、現実問題として避けられない状況があることでしょう。一人身の方ならまだしも、家族がいてマイホームを購入している人には長期の転勤や海外への赴任はかなり慎重な決断を迫られることになります。何せローンが残っているなら、違う土地で生活するのに、住んでいない家やマンションのローンや固定資産税を支払う必要性があるのは心苦しいですね。売ればいいのですがせっかく買ったマイホームを手放したくはない人は少なくありません。もちろん、転勤を断れればいいですが、職業や役職によっては断ることができないときもあるはずです。そのような時にご自宅をどのように処分するか考えなくてはいけません。

一番てっとり早いのが売却することです。しかし、上記にも述べましたが、日本人には転勤が終わったら自宅に戻りたいという願望が多いことが挙げられます。そのため転勤期間中の空き家になったマイホームを管理するという必要がありました。売却をせずに空き家にしていてもローン返済は続き、負担を減らすために賃貸をしたくても、定期借家権がない時代には自分が転勤から戻るときに明け渡してもらえない可能性が強いという法律上のリスクがありました。

現在は2000年に施行された定期借家権により、転勤・海外赴任者の留守宅を一定期間賃貸する業務のリロケーションサービスがビジネスとして充実してきました。